7/28(土)坂折棚田のビオトープで、生き物自然観察会が開催されました。
台風の予報があり天気が心配されましたが、無事に晴れてちょっと暑い中での生き物探しとなりました。
虫取り網を持って張り切る小学生や保育園生。連日の猛暑により水が涸れたビオトープでは水中網は必要なしでした。
講師の岐阜県立国際園芸アカデミーの相田先生も子どもに負けずに生き物探し。
3月の『カエルの卵探し』でたくさんのヤマアカガエルの卵塊があったビオトープ。毎年何種類かのカエルが見つかりますが、今年は猛暑&晴れの日々だったためか、カエルよりもバッタ天国となっておりました。
見つかったカエルはアマガエル2匹。あの大量の卵から産まれたはずのヤマアカガエルはどこに行ってしまったのでしょうか??
カエルが少ないために、餌のバッタが多いのかもしれません。
見つけた生き物が何か、相田先生に解説していただきました。
子どもたちにとって貴重な課外授業です。
たくさん飛んでいたミヤマアカネは、沢でよく見られるトンボだそうです。流れる水が好きなトンボということ。「坂折棚田らしいトンボだと思います」(相田先生談)
坂折棚田では毎年たくさん飛んでいるそうで、しばらく前からよく見かけますが、実は絶滅している県もあるとか。坂折棚田の沢はミヤマアカネにとってよい環境なのでしょうね。
造園学が専門の相田先生ですので、生き物だけでなく植物も教えていただきました。
ウリカワの花。全国的に水田雑草として知られる植物のはずが、除草剤の普及で防除が進み、現在では減少傾向にあるそうです。驚いたことに新潟県の絶滅危惧Ⅱ(植物)にも入っていました。田んぼの雑草は無くしたいけれど、無くそうとしたら絶滅の危機にある。自然との共生は難しいなと思います。
水田の代表的な雑草、コナギ。花が咲くのは9月以降なので、この時期はまだ葉っぱしかありません。養分収奪力が大きい強害草で稲作農家には嫌われ者ですが、これもやっぱり希少種になりつつあるそうです。
我が家の田んぼにも大量に生えてくる厄介者なので、やっぱり複雑な心境になります。
この季節、水田や湿地で見られる美しい紫色の花はミソハギ。こちらは花が美しいお陰で田んぼの畔に咲いていても、草刈りや除草を免れているようです。
よく見ると、ミソハギにはミツバチがたくさん来ていました。黒のしましまがはっきりしているので、おそらく日本ミツバチです。世界的に減少が心配されているミツバチ。減少原因はダニ、農薬などといわれていますが、食物として利用できる花(蜜源)の種類や数が少なくなっていることも理由の一つなのだそうです。
昔は田植え前の田んぼで咲いていたレンゲ。最近ではそんな光景を見ることはなくなってしまいました。理由は田植えが早いお米の品種が増えたこと。新米を早く出せるようになったのは人間にとっては嬉しいこと。その代わりにレンゲが咲く前に田植えがされるため、ミツバチには嬉しくない状況となっています。
人間が自分たちのためにする農業と、自然に与える負荷。またしても自然と人間の共存について考えさせられます。それでも折棚田に蜜を採りに来るミツバチがたくさんいるのは嬉しいことです。
坂折棚田にお越しの際は、ビオトープ観察も楽しんでくださいね。たくさんの生き物&植物がお待ちしております。