1950~1960年代に杉の植林が奨励されました。その後、成長した木は手入れされず放置林となっています。このため、大雨が一気に川に流れ出て土砂崩壊をおこしました。中野方を災害から守ろうという取り組みが始まり、再び山に関心が向き始めました。
『杣(そま)サ』とは、山仕事をする人、きこりのことです。『杣組(そまぐみ)』は、2009年に中野方の山を愛する有志17名で結成されました。当初から各技能の講師を招き、チェーンソーの操作、目立て、木の切り倒し方、切った木の利用方法などの研修を続けてきました。その結果、間伐により山に再び陽が差し込み始めています。
林業で生計が立つ時代は終わり子どもや孫のために先代が木を植えてきた山は、担い手不足により荒れ、いつ大雨で崩れるかわからない状態です。「手入れはしたいけれど…伐っても山に放っておくしかないから…」と、今までは諦めるしかなかった山主さんたちが、「人のざわめきがいっぱい聞こえるそんな森と村を再生したい」との想いで杣組も参加して『木の駅プロジェクト』は中野方町で2009年12月から始まった社会実験です。
主な取り組みは、①間伐した山の木を出荷すると、地域のお店で使える地域通貨券「モリ券」と交換されます。②道の駅で規格外の野菜も売れるように、「木の駅」では市場で売れない木も出荷できます。山仕事の素人でも軽トラとチェーンソーがあれば気軽に参加でき、仲間が広がることが「木の駅プロジェクト」の目的です。
笠周(りっしゅう)地域「木の駅実行委員会」で発行している地域通貨で、笠周地域のお店だけで使えます。
1モリが日本国通貨の1,000円に相当します。笠周地域の人からは「地域の宝」として注目されています。